もみじの主な病害虫と対処法
黒紋病
葉に緑黄色の斑点ができ、やがて葉表に黒い隆起物ができる。

病葉は落葉も含めてていねいに集め地中深く埋めるか、焼却処分にする。散布ではダイセン、ベンレート水溶液が有効。最近ではマネージ乳剤、ポリオキシンAL乳剤が高い評価を受けている。
小黒紋病
黒紋病よりも小さな斑点ができ、美観を損なう。

病葉は落葉も含めてていねいに集め地中深く埋めるか、焼却処分にする。散布では黒斑病同様、ダイセン、ベンレート水溶液やマネージ乳剤、ポリオキシンAL乳剤が有効。
うどんこ病
葉の表面に小麦粉を薄くまぶしたような斑点ができ、次第に大きく濃くなってくる。秋には黒色小粒状物ができる。葉の表面、裏面あるいは両面が、うどん粉を振りかけたように白い粉状のカビに覆われる。若い枝葉は萎縮して、生育が著しく阻害される。病原菌は風によって飛散し、伝染を繰り返す。

予防には日当たり、風通しをよくし、ミルディオマイシン水溶剤1000倍液、ベンレート2000倍液やトップジンM2000倍液を散布するとよい。治療にはマネージ乳剤、ポリオキシンAL乳剤が効果が高い。
首垂細菌病
新梢が枝葉とともに黒く変色し萎れてしだれる。4月下旬〜5月、新梢の柔らかい枝葉が侵される。はじめ葉の基部から水侵状の病斑が現れ、やがて新梢は黒変し、しおれて垂れ下がる。葉は褐変し、乾いて落葉する。樹木類では数少ない細菌病で、生態などは不明な点が多い。

一時的に著しく落葉して新梢は丸坊主になり、枯死寸前のように見えるが、気温が上がってくると病勢はおさまり、梅雨明け以降は新たな枝葉の繁茂によって被害は目立たなくなる。
胴枯病
枝・幹に多数の小隆起物ができ、やがて枯死する。樹勢が衰えるとでやすくなるので、樹勢維持に努める。急激な整枝剪定を避ける。傷口部分が赤、黒褐色に変色し、ややくぼみ、後に小隆起物(子座)が多数形成され、樹皮の表面がザラザラした感じになる。

排水不良や過度の剪定、太枝を切断することで病気にかかりやすくなる。特に太枝を切った場合はトップジンMペーストなどの癒合殺菌剤、墨汁、コールタールなどを塗って切り口をふさぎ、病原菌が侵入できないようにする。薬剤ではベンレート水和剤なども有効。
ビロード病
フシダニの寄生によって若葉の葉裏に発病し、ビロード状になり美観を損ねる。

被害葉は枝から切り取る。
カワラタケ
枯死した枝幹部分に発生する。

硬い材が出るまで腐朽部分を削り取り、塗布剤、墨汁などを2、3回重ね塗りをする。
ゴマダラカミキリ
幼虫が材内を加害するため、樹勢が衰え、枯死する場合がある。成虫は6月頃から出現し、枝を摂食するので枝枯れを起こす。

夜間見て回り、成虫を捕殺するか、産卵防止のため地際から高さ50センチ付近まで紙を巻き付ける。根元に木の粉が出ていれば幼虫がいるので、その穴を探して殺虫剤の原液(スミチオンなど)をスポイドで注入する。冬季に石灰硫黄合剤を散布するとよい。
ネキリムシ
一般的にネキリムシと呼ばれる害虫は、タマナヤガ、カブラヤガ、オオカブラヤガ、シロモンヤガ等の幼虫を指す場合が多い。よく混同されるコガネムシの幼虫も、植物の根などを食害する。

いずれもオルトラン粒剤の散布が有効な防除法。
<写真>
左上:カブラヤガ幼虫
左  :カブラヤガ成虫
中  :タマナヤガ幼虫
右  :タマナヤガ成虫
イラガ類
年に1〜2回発生するが、越冬は繭の中で幼虫越冬する。幼虫に触れると、激しく痛みを感じる。

幼虫(写真参照)は見つけ次第捕殺する。冬の間によく見て回り、繭の発見に努め、見つけ次第たたきつぶす。スミチオン1000倍液が有効。
カイガラムシ類

いろんな種類のカイガラムシが寄生する。

ふ化分散するまでに木を定期的に観察し、カイガラを軍手、タワシや歯ブラシ等で剥ぎ落とす。枝が混み合い風通し、採光が悪いと発生しやすいので、枝透かしを行う。幼虫はオルトラン水和剤、アクテリック乳剤などで退治できる。越冬成虫は石灰硫黄合剤かマシン油乳剤を冬期に散布して退治する。

アブラムシ

春の新葉展開直後から発生し、特に芽に群棲する。激しく加害されると、新葉が奇形になることがある。

春先新葉に群棲しているアブラムシを見つけ、枝ごと切り取り踏み殺す。スミチオン1000倍液、オルトランを少しまけば防除できる。

オビカレハ
ガの幼虫が大発生し、葉が食害される。若齢幼虫は、小枝に雲の巣状の糸を張りその中で生活している。大きくなるに従い巣より出て分散、食害する。初夏に指輪状に卵塊を枝に産み付け卵越冬する。

巣の中には薬剤が浸透し難いので、若齢幼虫を巣ごと切り取り焼却処分に出す。
病葉は落葉も含めてていねいに集め地中深く埋めるか、焼却処分にする。