― 切り接ぎ ―
| 切り接ぎは、最も広く行われている枝接ぎの代表的な接ぎ方で、苗木の養成ばかりではなく、成木の高接ぎ更新の場合も、しばしば切り接ぎ技術が活用される。 | |||
| 1.穂木の準備 | |||
| 穂木の採取時期は、落葉樹の場合ほとんどのものは12〜3月の休眠期間中に採穂し、貯蔵しておいた枝を用いて接ぎ木する。一般的には、接ぎ木1ヶ月くらい前に採穂されることが多い。 穂木の貯蔵条件としては、低温で、温度や湿度の変化が少ないところがよく、接ぎ木時期まで貯蔵する。貯蔵の方法は、簡単なものは土中に埋める方法、ビニール袋に密封して木箱等に入れる方法、穴室(あなむろ)の利用、そのほか冷蔵庫や貯蔵庫を利用する方法などがある。 |
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| 2.切り接ぎの操作 | |||
| (1)台木の削り方 | |||
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台木は、揚げ接ぎの場合、接ぎ木予定日の1週間前頃に台木を掘り揚げ、長い根先を3〜4センチ位に切りつめてハウス内などに借り植えしておく。こうすると水揚げが抑制されて活着が良くなる。居接ぎをする場合には苗圃または鉢植えのまま行う。 まず、地際から4〜8センチくらいのところで台木を水平に切断する。次に、台木側面のなるべく凹凸のない接ぎ木しやすい面を選び、切断面の肩の部分を斜めに削り、形成層を露出させる。この露出した形成層の内側に切り出しナイフを当て真っ直ぐに1.5〜2センチ切り下げる。 |
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| (2)接ぎ穂の削り方 | |||
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穂木は、少なくとも2芽残るようにして、基部を斜め(45゜位)に鋭角に削る。そして反対側を台木の切り下げの深さより3ミリ程度長く、僅かに木質部に係るように切り出しナイフを入れて水平に削る。深く切りすぎて髄が出たり、削った面に凹凸ができるのはよくない。 | |
| (3)接ぎ穂と台木の合わせ方 | |||
| 接ぎ穂と台木、両方の形成層の位置を確認し、双方の形成層が接着面の上下ともしっかりと合うように、台木の切り下げ部分まで接ぎ穂を充分挿し込む。一般的には接ぎ穂と台木の太さは違うことが多いが、このような場合は片側の形成層同士を合わせる。また、接いだとき、台木の切断面より上に接ぎ穂の削傷面部が出るようにすることが大切。そうすれば、接ぎ穂が肥大して台木の切断面を早く覆うようになる。接ぎ穂を挿し込んだら、そのままの状態で接ぎ穂が動かないように注意して、ビニールテープ等で縛る。 | ![]() |
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| 3.接ぎ木の管理 | |||
| (1)接ぎ木直後の管理 | |||
| 接ぎ木後、接ぎ木接着部の癒合を促進するために、次のような方法が行われる。 @圃場での居接ぎの場合は、上部の芽が僅かに隠れる程度に土を上寄せする。 A揚げ接ぎでは、少量の場合は上部の芽まで水苔でくるんでビニール袋に入れ、室内につるして管理することも可能で、圃場の場合は、(イ)定植して同様に覆土をしておくだけでもよいが、(ロ)活着を促進するため苗床の地表をビニールで被覆して地温の上昇をはかり、湿度を高く保って活着を高めるようにする、(ハ)ハウス内に植え付けて管理する、(ニ)ハウス内にさらにビニールで二重被覆する、(ホ)床に電熱線を入れて適温に保つ、など、いろいろな方法で行われる。ビニールトンネルで被覆する場合、トンネル内の温度が上がりすぎないように、穂上に新聞紙等を載せて、その影響が直接接ぎ苗に及ばないように注意することが必要。 |
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| (2)活着後の管理 | |||
| 活着後、新芽が伸びて被覆物を突き上げるので、そのころハウス内の接ぎ穂上の新聞紙等の覆いを取り除くが、この際、葉面温度を急に上げないように注意し、時々噴霧器で水を散布してやるとよい。しかし、植え床に潅水することは避けた方がよい。この頃になるとハウス内は相当に温度が高くなってくるので、よしずや寒冷紗をビニールの上から覆い、日照を弱めることが必要。ただ、ハウスのビニールを取り除いて風を入れたりすることは絶対に禁物。外気に当てるのは3ヶ月ほどしてからで、それも一度にするのではなく、徐々にそうしていく方がより安全。 | |||